理事長年頭挨拶

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2015年1月9日

― 新年明けましておめでとうございます ―

年頭にあたり一言ご挨拶を申し上げます。  さて2015年の干支は、「乙羊(きのとひつじ)」であります。象形文字で木の枝葉の茂った様を表す「未」ですが、未の月にあたる6月は様々な作物が成熟する大切な季節で、「未」の字には、豊作への願いがこめられています。また、群れをなすところから「家族の安泰」を表し、いつまでも「平和」に暮らすことを意味していると言われます。そして、今年は戦後70年という節目の年でもあり、近隣アジアとの外交において、また、世界的にも揉め事の無い平和な世の中になることを祈るところです。  政治・経済においては、昨年末に行われた衆議院解散総選挙では、結果的に3分の2の議席を自公連立与党が占める圧勝となり、第3次安倍内閣が長期政権への足掛かりを固めました。また、昨年における日本経済は、円安の影響により好調な業績である輸出企業を中心に、設備投資や雇用需要が堅調に推移しました。そして、これまで景気の回復を牽引してきた個人消費の伸びは、消費税率引き上げ前の3月にかけて駆け込み需要が発生し、4月にはその反動により大きく落ち込み、その後、徐々に持ち直しつつあったものの、7月以降、天候不順の影響を受け足踏み状態が続いています。 今年の見通しですが、予定されていた消費税率の引き上げの延期により物価上昇が回避され、2014年度補正予算による経済対策の実施により、内需の下支えがプラスに作用するとみられ、さらに、円安基調のまま変化はなく、輸出企業を中心に設備投資・雇用の増加効果が見込めるため、景気は堅調に推移していくが、輸入企業の業績悪化を受け回復ペースは鈍く、まだまだ楽観できない状況が続くものと思われます。  次に内航海運ですが、昨年9月までの輸送実績対前年比では、貨物船1.04%、油送船では0.98%と大きな変動もなく推移しました。また、暫定措置事業関係では、建造納付金が当初の予想を上回り、解撤交付金の支給はありませんでした。借入金は8月と2月に借り換えを行っており、上期8月には26億36百万円を返済し、借入残は434億16百万円となっています。また、預託金の早期返済の交渉も進み、更に、平成28年度以降の暫定措置事業問題に関しましても、行政との交渉はじめ総連合会以下5組合の調整作業が終盤に差し掛かっている状況です。    2015年度 税制改正要望については、船舶の特別償却制度の延長または恒久化への要望書を作成・提出し、2年間の延長が認められ、また、「対象船舶の見直し」につきましても、従来からの設備要件に加え、船内居住区域に設置するLED照明器具と船舶自動識別装置AISを追加されることになりました。 そして、日本船主協会発表の2014年度重大ニュースでも示されました、海技免許6級機関士の短期養成制度が創設されたことは、内航小型船の船員問題に対する政策として大いに評価されているところです。 また、全国海運組合連合会では、活性化プロジェクトチームを中心に、暫定措置事業終了後の組合組織や事業者の将来像について議論しており、年度終了する3月を目途に報告書が纏められる予定です。 当山口県内航海運組合におきましても、これらの情報を先取りし、ホームページやメール等の媒体を用いて、組合員への情報開示に努めているところです。 最後になりますが、デフレからの脱却とは、貯蓄から投資や消費へとマインドを変えること。言い換えればお金を回すことで経済が好転し、また、キープレーヤーである皆さんが投資や雇用を促進することが重要であると聞いております。事業者の皆様一人一人が、経済の循環に寄与され、今年の景気が好転することを期待し、また、ご健勝を心より祈念いたしまして、新年のご挨拶と致します。

                                            理事長 蔵本由紀夫


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